2021年03月11日
今回のフィールドワークは、ふじのくに地球環境史ミュージアムで開催されている「食虫植物-シンカのからくり-」という展覧会です。
ふじのくに地球環境史ミュージアムは、自然と人間のかかわりをテーマとした博物館です。
静岡県の自然の多様性や食物連鎖のしくみを学びながら、文明発展と自然とのバランス、未来の豊かさの形にも考えを向けることができる展示になっています。
展示の多くは本物の生き物の標本であり、模型よりもリアルに観察ができるのも魅力です。
企画展の部屋に進む前に、常設展も見ていきます。
職員さんが説明を加えてくれることも多く、興味深いお話がたくさん聞けました。
大きな水槽のようなホルマリン保存液槽に展示されている深海のサメ、こんなに大きくてもまだ子どもなんだそうです。
「ここにある穴でお水をろ過して、きれいな酸素だけを取り込んで、いらなくなったお水や不純物はエラから吐き出しているんだよ」という説明を、生徒たちは真剣な表情で聞いていました。
企画展のほうに進んでいくと、壁一面にウツボカズラの標本がぶら下がっていて、なかなか不思議な光景が広がっていました。
食虫植物と聞くと、ウツボカズラのようにツボの中に落として捕食するものと、ハエトリソウのように虫が乗ったらパクッと口を閉じて捕食するものが代表的に思えます。
しかし他にも、粘液のある葉にくっつけてそのまま捕食するものや、ミジンコなどを食べる水草タイプのものなど、さまざまな種類があることが分かりました。
食虫植物たちの捕食シーンを捉えた映像が上映されていましたが、けっこう瞬発力があって面白かったです。
また、冬虫夏草というものの展示もありました。
これは菌類の一種で、冬には虫などの生き物に寄生して栄養を奪い、温かくなるとキノコとしてのびてくるという生き物です。中国では薬として使用されています。
静岡県には、これらの生き物も含め、希少な植物が生息している割合が高く、多様性に富んでいるということも説明されていました。
普段あまり馴染みのない植物たちの展示に、生徒たちは興味深そうにしていました。
「うちに食虫植物を置けば防虫になるかも・・・!」と検討する声も聞こえましたよ。
来年度の2年生は生物基礎の授業があるので、興味があればマイプロで取り扱ってみても面白いと思います。
休憩コーナーで一休み。
図鑑カフェという名前の通り、図鑑や写真集がずらりと並んでいて、自由に閲覧することができます。
気になった図鑑を開いてみる生徒もいれば、疲れて休憩に専念する生徒も(笑)
体力つけていかないとね!
食虫植物や冬虫夏草の展示はあまり見かけないもので、面白い経験ができたことと思います。
生徒たちが現在興味を持っていることや好きなことを伸ばすのはもちろんのこと、まだ出会っていないものと出会い、興味関心を広げていくことのお手伝いを今後も続けていきたいです。